レクリエーションで映画上映やカラオケをする時に気になる著作権
介護施設では毎日のようにレクリエーションが行われていると思います。
特に映画上映やカラオケなんかはレクリエーションとしては鉄板ですよね。
手間もあまりかからず、それなりに時間も消費できるのでスタッフ的にもありがたいレクリエーションだと思います。
もしも、何らかの理由でこれらのレクリエーションができなくなったら困ります。
みなさんも著作権という言葉を聞いたことがあると思います。
レクリエーションで使用しているBGMなんかももしかしたらレクリエーションに引っかかってくる可能性もありますよね。
運動会をするときとかにもBGMを用意したりすると盛り上がりますが、著作権の切れたクラシックばかりながすのは味気ないですよね。
高齢者でもジャ○ーズのS○APやA○ASHIが好きな人もいますので、施設ごとの色に合わせたBGMを使いたいですよね。
介護施設とはいえ営利企業になっています。
飲食店で無断でBGMや映画を流すことは基本的にはNGです。
介護施設において著作権というのはどのように扱われているのか?
自分の施設は著作権的に法律違反をしていないか?
それについて解説していきたいと思います。
介護施設でのレクリエーションでBGMや映画を流してもOK!!

さっそく結論から述べたいと思いますが、介護施設でレクリエーションを行う場合には著作権を気にする必要はありません。
なぜ、著作権を気にする必要がないと言い切れるのか?
それはJASRACさんのHPに解説されていました。
JASRACでは福祉施設での使用を許可している

JASRACというのは音楽の著作権をまとめている団体です。
もし、飲食店などを経営する場合に音楽を使用したい場合にはJASRACにお金を支払う必要があるのですが、JASRACのHPではこのような見解を示しています。
JASRACへの許諾手続きが不要なBGMの利用方法
次の項目のいずれかに該当する場合は、JASRACへの手続きは不要です。
1.法律(著作権法第38条3項)上、手続きが不要となる利用テレビやラジオの放送をそのまま流している
※但し、以下の場合は原則として手続きが必要です
インターネットラジオを利用する場合
放送を録音して流す場合
家庭用受信装置以外を利用する場合2.使用料規定上、当分の間使用料免除となる利用
https://www.jasrac.or.jp/info/bgm/index.html
(1)福祉施設での利用
(2)医療施設(医療法・介護保険法に基づく施設)での利用
(3)教育機関での利用
(4)事務所、工場等での主として従業員のみを対象とした利用
(5)露店等での短時間で軽微な利用
はっきりと「福祉士施設での利用は免除、手続きは不要」と書いてありますね。
これが、介護施設で著作権を利用しなくてもいい証明となります。
介護施設でのレクリエーションで映画やBGMを利用する場合には気にせず使用しましょう。
他の権利団体はどうなのか?

JASRACでの使用はOKだということはわかっていただけたかと思います。
とはいっても、日本にはJASRAC以外にも権利団体というのはあります。
音楽はJASRACがほとんど管理していますが、映画に関してはいくつかの管理団体があるため作品によっては著作権の解釈が違うかもしれませんが、あまり気にしなくてもいいと思います。
なぜかというと、作品ごとにそれぞれの著作権の管理団体を調べるというのは現実的ではないからです。
日本で一番大きな権利団体であるJASRACが福祉施設での利用を容認しているため、他の権利団体が介護施設に対して著作権の侵害について裁判を起こすというケースは考えにくいでしょう。
もし気になるのであれば、各分野の著作権団体についてまとめたサイトになりますので問い合わせしてみましょう。
法律的にはダメという解釈の論点

他のサイトでは「介護施設での映画上映はNG」と解説しているサイトもあります。
そこで、根拠としているのは著作権法の第38条の解釈によるものです。
営利を目的としない上演等
(第38条)
[1]営利を目的とせず,観客から料金をとらない場合は,公表された著作物を上演・演奏・上映・口述することができる。ただし,出演者などに報酬を支払う場合はこの例外規定は適用されない。
[2]営利を目的とせず,貸与を受ける者から料金をとらない場合は,CDなど公表された著作物の複製物を貸与することができる。ただし,ビデオなど映画の著作物の貸与については,その主体が政令(施行令第2条の3)で定められた視聴覚ライブラリー等及び政令(施行令第2条の2第1項第2号)で定められた聴覚障害者等の福祉に関する事業を行う者(非営利目的のもの限る)に限られ,さらに,著作権者への補償金の支払いが必要となる。https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/chosakubutsu_jiyu.html
ここで論点になるのは、「介護施設での上映は営利目的になるのか?」というところですね。
介護施設では映画の上映を目的としてお金を頂いてるわけではありません。
なので、僕は営利目的には当たらないのではないかと思っています。
広告やSNSでの使用には気をつけよう

ここまで、福祉施設での著作権はあまり気にしなくてもよいという話をしてきました。
それはあくまでも介護施設でのレクリエーションという閉鎖的な空間で行う場合の話です。
介護施設ではパンフレットを作って宣伝したり、ブログなどでレクリエーションの報告をしている施設もあると思います。
そういったケースでは広告に映画の映像が写っていないかということは気にしたほうがいいでしょう。
介護福祉士施設での使用は許可されていますが、パンフレットやWebサイトに乗せることをきょかされているわけではありません。
著作権の所有者が何らかのかたちでその写真を目にし、気分を害する可能性もあります。
広告に著作物の写真が映り込んでいないかは気にしたほうがいいでしょう。
YoutubeでのBGM使用はNG

最近は介護系のYoutubeやSNSで発信をする施設も増えてきていますね。
レクリエーションの映像を流している施設も多く、割と参考になります。
しかし、気になるのが施設で使用しているBGMをそのまま流しているケースですね。
Youtubeは今話題性があるだけに、著作権に対してはかなり厳しい措置が取られる可能性もあります。
もし、YoutubeやSNSでの発信をする予定があるのであれば、レクリエーションにおいても著作権の切れたものや著作権フリーのBGMをしておいた方がいいでしょう。
介護施設で使うBGMは古いものも多いので著作権上OKなものも多いと思います。
非親告罪のため逮捕の可能性もある

また、2018年に日本の著作権法の改正で非親告罪として扱われる可能性もあります。
非親告罪というのは権利者から訴えなしに刑事罰として処罰することができます。
最近変わったので、著作権に関しては以前よりも厳しくなっています。
もちろん、介護施設での通常の業務で問題になるケースは無いと思いますが、インターネットが発達した今、外部への発信の際には著作権を気にする必要はあります。
まとめ
今回は介護のレクリエーションにおいての著作権の話をまとめてみました。
結論としてはJASRACが認めているため福祉施設でのレクリエーションで使うにはあまり気にする必要がない。
ただし、外部に発信する場合には著作権には気をつけた方がよいということです。
あまりに著作権などを気にしすぎると、レクリエーションも味気ないものになってしまうので、できれば今後も気にせずに映画やカラオケを行なっていきたいものですね。
最近ではネットの発達で簡単に著作物をコピーできる世の中になってしまったので以前よりは著作権への解釈は変わる可能性があります。
YoutubeやSNSでの発信の際にはくれぐれも気をつけましょう。
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