介護の仕事を始めて8年になるが、自分はこの仕事が天職なのではないかとよく感じる。
普通に振舞っているつもりなのだが、なぜか好かれてしまうのだ。
コミュニケーションはあまり得意な方ではなく、友達は少ない方なのだが、それが昭和生まれの人たちには誠実な若者に映るのかもしれない。
今回は僕が高齢者と接する時に気をつけていることを、紹介してみる。
笑顔は忘れない
はじめに何よりも大切なのは笑顔である。
1にも2にも笑顔だ。
笑顔でいれば、大抵の高齢者は受け入れてくれる。
独居の人は、話す機会がなくて寂しい思いをしている。
家族が同居している人も、家族に迷惑をかけることに引け目を感じている人が多い。
特に家族の場合は、感情を包み隠さず言われることもあるだろう。
家族だからこそ、上手く介護ができない人もいる。
そんな時に、心の拠り所として話を聞いてあげるだけでも喜んでくれるものだ。
年上だということを忘れない
高齢者は自分より年上だ。
当たり前のことだ。
昭和生まれの人は年功序列の意識が強い。
若い人の面倒は見てやらなくてはいけないと思っている。
しかし、介護が必要になる年齢になると、立場が逆転する。
面倒を見なくてはいけない、若者に面倒をみてもらっているのだ。
これだけプライドを傷つけられることはないだろう。
その上、馴れ馴れしく話しかけらたらどうだろうか?
親しみを持って話しかけることは大切だけれど、それは馴れ合うことではない。
親しき仲にも礼儀ありである。
話しかける時は必ず敬語で話しかけよう。
それが年上と話すときの最低限のマナーである。
時には砕けた話し方をすることも悪くはないが、自己主張はしないように。
自分の意見を主張しない
常識というのは、当たり前であると人々が感じていることだ。
しかし、その当たり前も時代によって徐々に変化しているのである。
自分の中の常識を押し付けないようにしよう。
そして、相手の常識は受け入れてあげるようにしよう。
以前、受診に行く時になぜかスーツを着ていくと答えた男性がいた。
病院に行くのなら、ジャージでもいいんじゃないかと思うぐらいなので、スーツを着る意味が理解できなかった。
ただ、その人にとってはそれが当たり前のことなんだろう、そう感じたのでスーツを着てもらうことにした。
時には理解できないことでも、相手の意見を受け入れることは大切だ。
自分が常識だと思っていることは、自分の都合でしかないのだ。
大切なことはこっそりとやる
自分の意見を主張しない、ということを説明したが、とはいえ相手の主張を全て受け入れて良いというわけではない。
例えば、今は8月で夏真っ盛りである。
残念なことに熱中症による死亡報告も上がっている。
できることなら高齢者にはこの時期は1日中エアコンをつけてほしいものだ。
しかし、高齢者の中には断固としてエアコンをつけたがらない人がいる。
理由は色々とある。
・電気代がもったいない
・皮膚感覚が鈍いので暑さを感じない
・エアコンは健康に悪いと思っている
・昔はエアコンをつける習慣がなかった
今思いついた理由だけでこれだけある。
高齢者が10人いれば、10の理由があるだろう。
中にはこちらの意見を頑なに受け入れようとしない人もいるだろう。
そういう時は、こっそりとエアコンをつけても良いのではないかと思っている。
言っても、聞いてもらえないのであれば、強硬手段に出るしかない。
「ごめん、暑かったから」
とか、適当に理由をつければいいと思う。
もちろん、本人が納得しなければ、その後エアコンを消される可能性もある。
ただ、できるだけのことはしたほうがいい。
人命こそ何より大切だ。
普段から、勝手なことをするのは決してよくない
しかし、人命に関わるようなことは、本人の意思に沿わないことをする必要もある。
時には大胆に相手の主張を捻じ曲げることも大切だ。
まとめ
簡単にまとめたのですが、だいたいこんなところを意識しています。
今は個性の時代と言われていますが、50年も60年も前の時代とは大きく変わっています。
目の前の人がどういう時代を生きてきたのかを想像できれば、高齢者とのより良い付き合いができるはずです。
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