高齢者施設では欠かせないレクリエーション
介護施設で働いている人なら一度はやったことがあると思うレクリエーション。
質の高い施設を演出するためにも楽しいレクリエーションを行なって利用者を笑顔にすることはたいせつですし、介護加算のためにリハビリ目的でのレクリエーションを行うことも大切です。
レクリエーションは介護職員の仕事の一部と言ってもいいでしょう。
ところでみなさんはレクリエーションという言葉の意味を考えたことがあるでしょうか?
今回はレクリエーションという言葉の意味とレクリエーションで目指すべき目標について解説したいと思います。
レクリエーションの語源は余暇と病気からの回復

まずはレクリエーションの語源について考えてみましょう。
「再創造」「壊れたものがつくり直されること」「人が病気から回復すること」「課業の疲労を癒し元気を回復すること」などを意味するラテン語の recreāre が語源である。英語ではこれが2通りの言葉に分化した(前者が後者から派生した)。
・recreation – 気晴らし、娯楽、余暇、レジャーなど。
・re-creation – 再創造(されたもの)。
肉体的・精神的な疲労(仕事・勉強など)を癒し、元気を回復するための休養・娯楽・気晴らし・気分転換であり、個人の健康を損なうようなものや、反社会的なものは除くという点で、レジャーとは異なる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3
wikipediaからの引用ですが、レクリエーションには大きく分けて2つの意味があります。
余暇・娯楽としてのレクリエーション
1つ目は余暇としてのレクリエーションです。
仕事や勉強の疲れを癒やすために休みを取り、気分をリフレッシュさせてまた新しく日常を送る。
そんな意味があります。
レジャーとは違うと書かれていますが、「健康を害するものや反社会的なものを除く」と書かれています。
例をあげるならギャンブル、お酒、徹夜でカラオケのような活動は人によっては楽しい時間になりますが、レクリエーションとは呼ばないでしょう。
レクリエーションとはあくまでも自分の心身を癒やすために、行われる活動をレクリエーションといいます。
リハビリとしてのレクリエーション
もう一つの意味は医療的な意味でのレクリエーションです。
レクリエーションには「再創造」という意味があります。
これは失ってしまったものを取り戻すということ。
つまりは、リハビリのことです。
自分の体力や昨日を取り戻すために、複数人で行う活動をレクリエーションと呼びます。
仕事や勉強とは縁のない高齢者施設ではこちらの意味で使うことが多いでしょう。
質の高いレクリエーションはどちらも大切にする

2つの意味のレクリエーションを紹介しましたが、高齢者施設で行われるレクリエーションはリハビリとしての意味合いの強い後者として使われることが多いと思います。
しかし、Wikipediaにおいても2つの意味が説明されているように、質の高いレクリエーションというのは余暇・娯楽としてのレクリエーションとリハビリとしてのレクリエーション。
どちらの要素も満たしてこそ質の高いレクリエーションと言えるでしょう。
レクリエーションの企画を考えるときには、「娯楽として楽しめるか?」「どんなリハビリ的な効果を望めるか?」を考えましょう。
アクティビティとはどう違うの?
最近は介護施設においてレクリエーションと似た言葉でアクティビティという言葉も使われるようになってきました。
レクリエーションのように企画や行事の時に使われる言葉ですが、リハビリ的な意味合いはなく「楽しいこと」を行うことに使われる言葉のようですね。
高齢者施設でレクリエーションを行う上での注意点

高齢者施設でレクリエーションを行う時に注意したいことがいくつかあります。
というのも、高齢になると個人差はありますが、理解力が低下しており、レクリエーションのルールが理解できないことがあります。
また、戦後の日本を必死に生きてきた世代の人たちはゲームに遊び慣れていない人も多く、複雑なルールのゲームは避けたほうがいいでしょう。
主な注意点
- ルールはシンプルなものにする
- 運動や脳トレなどリハビリ効果のあるものにする
- 簡単すぎるのもダメ
- ゲームの結果よりも楽しかったと感じることが大事
ルールはシンプルなものにする

TVゲームが出て以降の世代の人はTV以外の娯楽にも慣れているためゲーム慣れしています。
いろんなゲームを経験しているので、こどもは複雑なルールのゲームでも比較的速く理解することができます。
しかし、高齢者はあまりルールの複雑な娯楽というのは経験していないので、ルールはシンプルなものにしておきましょう。
認知症がある人は私達が思っている以上にルールを理解できない可能性があるので、文章にすると5行以内でかけるルールが良いと思います。
運動や脳トレなどリハビリ効果のあるものにする
レクリエーションにはリハビリとしての意味も含まれます。
ですので、レクリエーションを考えるときにはどんなリハビリ効果が見込めるか?
という視点はかならず考えておきましょう。
例えば、運要素の強いビンゴゲームや簡単すぎるクイズなんかはリハビリ要素があるとは思えません。
体を大きく動かす体操や、ちょっと悩むぐらいのクイズが良いでしょう。
簡単すぎるゲームははダメ

高齢者施設では認知症の人もいるので、ついつい簡単なゲームをすることが多いです。
しかし、簡単すぎるゲームというのをみなさんがやった場合はどう感じるでしょうか?
ゲームというのは簡単すぎても楽しくないんです。
シンプルなルールのしりとりや、クイズは認知症の人にとっては難しいかもしれませんが、比較的若い60代ぐらいの人に取ってはつまらなく感じてしまいます。
ゲームというのはクリアできるかわからないからこそクリアするために夢中になれるわけです。
ゲームにはある程度の難易度をもたせましょう。
ゲームの結果よりも楽しかったと感じさせることが大切
ゲームを盛り上げるためには、ある程度競技性のあるものが盛り上がると思います。
身体的に手や足があまり動かない人は良い成績が出せない人もいるかもしれません。
そういった人にも参加することが楽しいことを感じさせる工夫が大切です。
レクリエーションの合間に、声を出したり拍手をしたり誘導することで、施設全体に明るい空気を作るようにしていきましょう。
まとめ
僕はゲームが好きで、よくみんなで集まって「TVゲーム」、「カタン」や「人狼」なんかをしていました。
ゲームって言うのは本当は楽しいもんですから、それで色んな人と仲良くなれたりもします。
レクリエーションにもゲームの要素を取り入れて利用者がたのしいと感じられるレクリエーションを提供しましょう。
そうすることで利用者も生き生きとしてくるでしょう。
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